
角膜とは、眼球の最も前にある透明な膜で、「茶目~黒目」と呼ばれる部分です。
角膜の役割は、大きく分けて3つあり、以下の通りです。
①光を目の奥の網膜に通す
②光を屈折するレンズの役割をする
③眼球の壁の役割をする
角膜は血管がなく透明な組織で、光を目の奥の網膜(カメラでいうフィルムの役割)に届けます。そのため角膜が傷ついたり濁ったりすることで、網膜にキレイに像が結ばず視力が低下します。
コンタクトレンズは直接角膜に触れるものなので、コンタクトレンズの取り扱いに問題があると様々な目の病気を引き起こす原因になります。
角膜上皮障害
コンタクトレンズの装用時間が長すぎて角膜に負担が生じたり、レンズの汚れ等によって角膜の表面の角膜上皮に傷がついたり、剥がれたりします。
角膜内皮障害
長期のコンタクトレンズ装用による酸素不足等により、角膜の内側の内皮細胞が代謝障害で脱落したり、大きく変形したりします。内皮細胞は再生しないので、細胞数が減ると角膜が濁って視力低下を引き起こします。
角膜感染症
角膜上皮の傷から細菌や真菌、アカントアメーバが侵入して感染し、潰瘍を生じます。感染が起きると目の痛み、充血、涙、異物感、視力低下などの症状を感じることがあり、角膜に濁りが生じて、治療後も重篤な視力障害が残る場合もあります。
巨大乳頭結膜炎
コンタクトレンズの長期装用や汚れによるアレルギーで、まぶたの裏側にある結膜が充血し、かゆみや異物感を感じます。
このようなコンタクトレンズによる病気を防ぐためには装用時間や取り扱い方法・レンズの交換サイクルを守ること、レンズケースを清潔に保つこと、異常を感じたらすぐ中止して眼科を受診することが大切です。
近年、インターネットや通信販売にてコンタクトレンズを購入する方が増加していますが、医師の処方なしでコンタクトレンズを購入することは危険です。自覚症状がないまま病気が進行し、放置すると失明することもあります。
コンタクトレンズは眼鏡と併用して装用時間を守り、目の症状があったら装用を中止して眼科を受診しましょう。
当院ではICLの手術をメインに屈折矯正の手術をしていますが、装用時間がなかなか守れず小さなトラブルを繰り返している方や、ドライアイやアレルギーなどでコンタクトレンズの長時間装用が難しい方、眼鏡にわずらわしさを感じたり、度数の問題で眼鏡がかけられないなど、手術を希望される理由は様々です。
当院ではコンタクトレンズや眼鏡での生活に満足されている方には手術は必要ないと考えていますが、同じように悩まれている方はぜひ一度適応検査にいらしてください。