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【目にまつわる話】『角膜』について

『角膜』とは、「黒目」の一番表面にある透明な膜です。
外から入ってくる光は、角膜を通って眼の中に入り、水晶体を通って網膜で認知されています。角膜は単に光が通過するだけではなく、水晶体とともに凸レンズとして網膜に光のピントを合わせる働きを持っています。

【目にまつわる話】『角膜』についての画像
【目にまつわる話】『角膜』についての画像

角膜の形は直径約12mm、厚さは中央部で約0.5mm、周辺部では約0.7mmです。
内部は、外側から順に角膜上皮、ボーマン膜、角膜実質、デスメ膜、角膜内皮という5層の構造に分かれています。
角膜上皮は何層にも重なっている透明な細胞で構成されています。眼の一番外側にあり、細菌などが簡単には侵入できない構造になっています。上皮細胞は障害されると、角膜の周辺部にある細胞が分裂して上皮を再生します。
それに対して、角膜内皮細胞は六角形の細胞から構成されていて、角膜の透明性を保つのに大事な役割を果たしています。角膜内皮細胞は、上皮細胞とは異なり、一度障害されると再生することができません。障害された細胞の周囲の細胞の面積が大きくなって、障害された細胞の面積分を補います。角膜内皮細胞の正常値は2500~3000/㎟とされていて、2000/㎟以下が異常値になります。また500/㎟以下になると、水分が角膜内に貯留して角膜の透明性が維持できず、水疱性角膜症となり角膜移植が必要になることもあります。

【目にまつわる話】『角膜』についての画像
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身体の組織は血液から酸素や栄養を供給されていますが、角膜は透明な組織のため血管がありません。そのため角膜は、涙液と房水から酸素などが供給されています。
さらに、涙液には角膜を覆うことで表面をなめらかにする役割があります。角膜は凸レンズの役割も持っているので、表面が常に滑らかな状態であることで安定した視力を出すことができます。

また、コンタクトレンズを装用すると、角膜がレンズに覆われてしまうので、角膜表面の涙液の交換ができにくくなります。酸素不足になると細胞に障害が出る可能性が高くなり、角膜に血管が侵入したり、角膜上皮に傷がついて細菌の感染が起こりやすくなったり、中には角膜内皮が減少して角膜が白濁してしまう(水疱性角膜症)こともあります。角膜の重度の障害や混濁に対しては、最終的には角膜移植が必要になることもありますので、角膜は正常に保つことが大切になります。

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