ICLの術前と術後に目薬をさしますが、目薬の保管について質問をいただくことがありますので、今回は目薬の保管方法についてお話ししたいと思います。
目薬は保管方法を誤ると点眼液の品質が低下してしまう可能性がありますので注意が必要です。
一般的な目薬の保管方法は以下のとおりです。
- ① 指示がある場合はそれに従います。
「室温保存」「遮光保存」「冷所保存」「2~8℃保存」など。
特に注意がなくても、直射日光を避け、なるべく涼しい場所に保管するようにしましょう。 - ② 点眼後はしっかりとキャップをして、清潔に保管します。
- ③ 救急箱に保管する場合は、開封した湿布薬と一緒に保管しないようにします。
湿布薬に含まれている芳香成分(メントール等)は点眼容器を透過して点眼液に溶け込んでしまい、点眼液が目にしみる可能性があります。 - ④ 誤飲防止のために、乳幼児、小児の手の届かない所に保管します。
ところで「室温」とは何℃かご存じでしょうか?
室温とは、厚生労働省が出している日本薬局方(医薬品の規格基準書)によると、1~30℃と定められています。
ですので、例えば夏場の自動車内は60℃くらいになりますので、車内に放置するのは避けた方がよいでしょう。
室温保存の目薬は冷蔵庫に入れない方がよいのか、という質問もよくいただきます。
冷蔵庫内はふつう5℃くらいですので、温度上、問題はありません。ただし、冷凍室やチルド室の近くでは温度が低く、目薬が凍結する可能性がありますので注意が必要です。
目薬を使用する際の品質低下を避け、薬の効果を最大限に発揮するためにも、指示された保管方法を守り、正しく保管することが大切です。