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円錐角膜とは

角膜が薄くなり、角膜中央部から下部が突出する先天性・進行性の角膜の病気です。

正常な角膜

円錐角膜

角膜の形が変化し、近視や不正乱視が強くなり、進んでくると眼鏡やコンタクトレンズをつけても矯正ができなくなり、角膜移植術などが必要となります。
原因は不明で先天性、進行性疾患です。アトピーやアレルギー疾患など、目をこする刺激(角膜擦過)が増悪因子と言われていますが、そのような誘因がなく発症する場合もあります。
初期の内は自覚症状がありません。ある程度進行してくると乱視が増加していきますが、メガネやソフトコンタクトレンズでも良好な視力が出ます。そのため、初期のうちに発見されることは少なく、屈折矯正手術などの検査の際に角膜形状を精密に検査して初めて指摘を受ける方もいらっしゃいます。10 歳代~ 20 歳代の青年期に発症し、その後進行し、40 歳以降になると進行しにくくなる方がほとんどです。まれに 30 歳代以降で発見されて 50 歳以降も進行する方もいます。1,000 人に 1 人が発症していると言われ、決して珍しい疾患ではありません。

円錐角膜の治療方法は、進行しているのか、あるいはその程度などで異なります。
サピアタワーアイクリニック東京では、矯正視力が安定していらして、なおかつ規定以上の角膜の厚みがある方に向けて、円錐角膜の治療と ICL 治療を組み合わせることで、近視や乱視の程度を大きく減らす治療をご提案いたします。

2019 年 2 月に改訂された日本眼科学会の「屈折矯正手術のガイドライン(第 7 版)では、以前「禁忌」とされていた ICL 治療における円錐角膜の症例に対して、「実施に慎重を要するもの」と治療の可能性が広げられました。当クリニックの執刀責任者である北澤世志博は国内では 9 名のみの ICL エキスパートインストラクターとして認定を受けています。その豊富な経験から、患者様へ世界水準の治療をご提案いたします。

円錐角膜の治療と
ICLフローチャート

注)20歳前後の円錐角膜では進行するリスクがあるので、まず角膜CXL(クロスリンキング)で進行を抑制し、円錐角膜の進行や近視の進行の経過を見てICL手術を受けることを推奨します。

円錐角膜の程度の目安

■軽度

  • ①乱視が少なく通常の眼科検査では見つからない。
  • ②眼鏡やソフトコンタクトレンズで良好な視力が出る。
  • ③角膜形状解析装置で初めて円錐角膜の診断がつく。

■中等度

  • ①乱視が増加している、斜乱視になる。
  • ②眼鏡やソフトコンタクトレンズでは視力が出にくくなるがハードコンタクトレンズでは視力が出る。
  • ③眼科一般検査で円錐角膜疑いと言われることもある。

■重度

  • ①乱視が増加して眼鏡やソフトコンタクトレンズでは視力が出ない。
  • ②ハードコンタクトレンズで視力が出るがコンタクトレンズがずれやすいなど調子が悪い。
  • ③円錐角膜用の特殊なハードコンタクトレンズ(カスタムオーダーメイド)で視力が出る。
  • ④使い捨てソフトコンタクトレンズの上にハードコンタクトレンズを装用する piggy back や中身がハードで周辺がソフトコンタクトレンズの Eye BridTM などで装用感が改善できる。

円錐角膜の治療の考え方

■角膜クロスリンキング

  • ①円錐角膜の進行を抑えることが主目的なので、若年者で円錐角膜が進行中、または進行する恐れが高い場合に適応になります。
  • ②近年は円錐角膜の発症時期13 ~ 20歳代で早期に治療を開始することが勧められています。
  • ③角膜クロスリンキング(特にトポガイドクロスリンキング)では、円錐角膜の進行抑制に加え、近視や乱視も少し軽減できます。
  • ④治療の最大の欠点は術後2日間ほどの疼痛と、視力改善まで1週間ほど時間がかかることです。
  • ⑤アトピーやアレルギー体質などで目を良くこする癖のある方は、角膜クロスリンキングを施行しても円錐角膜が進行することがあり、注意が必要です。

■角膜内リング

  • ①円錐角膜の不正な形状を改善し矯正視力が出やすくすることが主目的なので、円錐角膜がある程度進行し、眼鏡やコンタクトレンズで視力が出にくい方が適応になります。
  • ②若年者では角膜内リング施行前、または同時に角膜クロスリンキングを施行することもあります。
  • ③角膜内リングにより乱視や近視を減らすことが可能ですが、裸眼視力で生活できるようにはなりません。
  • ④治療の最大の欠点は、術後視力が安定するまで約1か月かかることと夜間光が滲んで見える現象です。
  • ⑤角膜内リングを施行しても擦過癖のある方は円錐角膜が進行することがあり、注意が必要です。

■ICL

  • ①ICLには円錐角膜を改善させる効果はありません。
  • ②初期の円錐角膜や円錐角膜疑いで、年齢的に円錐角膜が進行する可能性が低い場合は、ICL手術を受けることができます。
  • ③若年者の円錐角膜や進行した円錐角膜の方は、角膜クロスリンキングや角膜内リングなどの適切な治療が施行されており、円錐角膜の進行が抑えられていれば ICL手術が受けられます。
  • ④円錐角膜の方がICL手術後に期待できる裸眼視力は、通常の近視や乱視の方に比べ低くなります。
  • ⑤ICL手術後に期待できる裸眼視力は円錐角膜の程度に大きく依存します。眼鏡での矯正視力が期待できる最高視力として一つの目安になりますが、それ以下のこともあります。
  • ⑥ICL手術後は裸眼で生活できますが、ハードコンタクトレンズやそのほか円錐角膜用の特殊なコンタクトレンズと同等の視力は期待できません。

円錐角膜の治療とICL手術の具体例

円錐角膜が軽度の場合

症例 39歳 男性 右眼

術前:
Vd=0.06(1.5X-6.25D cyl-1.25D Ax170)
裸眼視力 0.06 矯正視力 1.5
近視度数 -6.25D 乱視度数 -1.25D
39歳の初期円錐角膜で進行なく矯正視力も良好なのでICL手術のみを施行した。

ICL 術後 6 か月:
Vd=1.5(n.c.)
裸眼視力 1.5 矯正視力 1.5

円錐角膜が中等度の場合

症例 44歳 男性 右眼

術前:
Vd=0.07(1.2X-8.50D cyl-2.25D Ax100)
裸眼視力 0.07 矯正視力 1.2
近視度数 -8.50 乱視度数 -2.25D
中等度円錐角膜も44歳で進行なく矯正視力は良好なのでICL手術のみを施行した。

ICL 術後 3 か月:
Vd=1.2(1.5XICLX-0.50D cyl-0.75D)
裸眼視力 1.2 矯正視力 1.5

円錐角膜が中等度の場合

症例 31歳 男性 右眼

術前:
Vd=0.6(1.2X-0.25D cyl-3.00D Ax5°)
裸眼視力 0.6 矯正視力 1.2
近視度数 -0.25 乱視度数 -3.00D
中等度円錐角膜も31歳で進行しており、先ず角膜クロスリンキングを施行し、6か月後にICL手術を施行した。

ICL 術後 1 か月:
Vd=1.0(1.2XICL cyl-0.75D Ax5°)
裸眼視力 1.0 矯正視力 1.2

円錐角膜が重度の場合

症例 46歳 男性 右眼

術前:
Vd=0.1(0.8X-2.50D cyl-5.25D Ax120)
裸眼視力 0.1 矯正視力 0.8
近視度数 -2.50D 乱視度数 -5.25D
46歳であるが円錐角膜が進行しており矯正視力も低下しているので、角膜クロスリンキングと角膜内リング手術を同時施行した。

ICL 術後 6 か月:
Vd=0.5(1.5X-1.25D cyl-0.50D Ax45°)
裸眼視力 0.5 矯正視力 1.5
膜形状が改善して乱視度数が-0.50Dまで減少し、矯正視力も1.5まで改善した。