アイクリニック東京グループでは、様々な目の疾患について、皆様に少しでも理解を深めていただけるコンテンツを用意しました。
今回は、〜 コンタクトレンズ障害 編 〜 です。
■コンタクトレンズ障害■
【原因・病態】
コンタクトレンズ障害は、コンタクトレンズを使用することによって生じる眼の障害です。
コンタクトレンズは今では国民の10人に1人がコンタクトレンズを装用していると推測されており、それに伴い、コンタクトレンズ障害が急増していると言われています。その背景にはコンタクトレンズのケア方法が簡便になったことや、量販店の安売り販売、インターネット販売の普及などがあります。
コンタクトレンズは大きく分けて、ハードコンタクトレンズとソフトコンタクトレンズの2種類があり、ソフトコンタクトレンズの使用者が、コンタクトレンズ装用者全体の約7割を占めています。ソフトコンタクトレンズでは1日使い捨て、2週間使い捨てといった、いわゆる「使い捨てソフトコンタクトレンズ」と言われ、装用者も増えています。ハードコンタクトレンズと比べて、薄くて装用感の良いソフトコンタクトレンズの場合は、障害が起こっていることに気付きにくく、異物感や痛みを感じた時にはすでに症状が悪化しているケースが多く見られます。重症の場合、入院治療が必要となることもあります。その背景として、レンズケアをきちんと行っていなかったり、コンタクトレンズの使用期間や装用時間を正しく守っていないことが多くあり、コンタクトレンズ使用によってできた角膜の傷から、感染症を引き起こしやすくなります。
安全にコンタクトレンズを使用するためには、適切なレンズケア、正しい使用方法、眼科での定期検査がとても重要です。
コンタクトレンズ障害で生じる疾患とその症状について以下のようなものが挙げられます。
◎角膜感染症
【原因】細菌感染、ウイルス感染、真菌感染、アメーバ感染などが原因としてあげられます。
【症状】充血、痛み、異物感、目やになどが起こります。
◎角膜潰瘍
【原因】細菌感染、ウイルス感染、真菌感染、ドライアイが原因としてあげられます。
【症状】激しい目の痛み、充血、異物感、目やになどが起こり、重症例では視力低下が起こることもあります。
◎ドライアイ
【原因】コンタクトレンズによって涙の正常な機能を妨げ、乾燥感の症状を引き起こします。
【症状】目の乾燥感、充血、異物感などが起こります。角膜に傷ができると痛みを伴います。
◎アレルギー性結膜炎
【原因】コンタクトレンズに付着した汚れによってアレルギー反応を引き起こします。
【症状】異物感、充血、目やに、目の痒みなどが起こります。
【治療】
感染症の場合は症状や病原体によって異なり、抗生剤、抗ウイルス剤、抗真菌剤などによる治療を行います。感染症によって起こる一部の重症例では入院治療や角膜移植が必要になることもあります。
ドライアイの場合は涙を安定させる点眼剤による治療を行います。
アレルギー性結膜炎の場合は抗アレルギー点眼剤や抗炎症点眼剤による治療を行います。
【総括】
コンタクトレンズ障害を起こさないためには適切なレンズケア、使用方法・期間の順守、定期的な検診が非常に重要です。コンタクトレンズを使用していて、異常を感じた場合は、早めに眼科へ受診するようにしましょう。