今回はコンタクトレンズ(以下CL)装用時の点眼の可否についてお話しします。
CL装用時の点眼の可否についての確認事項は以下の順になります。
- ① 医師の指示
初めに医師の指示を確認します。CL装用時に点眼してよいなどの指示があれば、その指示に従います。医師は患者さんの目の状態およびアドヒアランス※を考えて点眼剤のCL装用時の使用の可否を判断しています。 - ②装用しているCLの種類
医師の指示がない場合は、原則的にはハードCL(酸素透過性CLを含む)、ソフトCLのいずれの場合も外して点眼し、少なくとも5~10分の間隔をあけて再装用することが推奨されています。なお、眼表面に疾患がなく、CLを装用できる状態であれば、水性点眼液に関してハードCL(酸素透過性CLを含む)の場合は装用したまま点眼、ソフトCLの場合は外して点眼することを奨めていることもあります(例外あり)。
※治療方法について、患者が十分に理解し、服用方法や薬の種類に十分に納得した上で実施、継続すること
CL装用時の点眼の可否は一概に決められるものではなく、疾病の状態やアドヒアランス等を考慮して決める必要があります。現状では、CL装用時に点眼の可否を判断する試験基準が定められていないため、眼科医や製薬会社、CL販売会社によっても見解が異なっています。
なぜCL装用時は点眼に注意しなければならないのでしょうか?
CL装用時に点眼剤を使用する際には、点眼剤に含まれる主薬や防腐剤などの添加剤がCLに及ぼす影響や、それらの成分による副作用などについて考慮しなければなりません。ソフトCLにおいては、レンズ内にそれらの成分が滞留すると考えられ、通常よりもCLへの影響や副作用が強く出る可能性が考えられます。特に防腐剤については、レンズ内での濃度が高くなると、レンズ自体の物性変化(変形や着色等)や角結膜上皮障害等を引き起こす可能性が危惧されています。
CL装用時の点眼について十分注意されることをおすすめします。
ICLは目の中にレンズを挿入しますので、このような心配はありません。CLの取り扱いに煩わしさを感じている方はICLを検討してみてはいかがでしょうか。
ご興味のある方は是非当院の初診適応検査もしくは無料説明会にお越しください。