アイクリニック東京グループでは、様々な目の疾患について、皆様に少しでも理解を深めていただけるコンテンツを用意しました。
今回は、〜 ドライアイ 編 〜 です。
■ドライアイ
【病態】
ドライアイとは、涙の量の減少や涙の質のバランスが崩れることによって、涙が目の表面に均等に行きわたらなくなる病気で、目の不快感や視機能の異常、目の表面に傷を伴うことがあります。涙は油の層とタンパク質などを含んだ水の層の2層からなり、正常な目では涙は目の表面で安定した状態にありますが、ドライアイの目では涙は不安定な状態になり、涙に覆われていないところに傷ができることがあります。高齢化、エアコンの使用、パソコンやスマートフォンの普及、コンタクトレンズ装用者の増加により、ドライアイ患者も増加傾向にあり、日本で2200万人もの患者さんがいると言われています。
【原因】
ドライアイの原因としては、加齢(加齢による涙の量や性質が低下)、女性、ライフスタイル(長時間画面を見る)、生活環境(低湿度、エアコン下、送風)、コンタクトレンズ装用、喫煙、飲み薬(涙の分泌を減らす作用のある飲み薬)、目薬(防腐剤など)、涙の油を作るマイボーム腺の病気、全身の病気(涙腺が免疫の作用で傷つくシェーグレン症候群や関節リウマチなどの膠原病)などがあります。
【症状】
ドライアイの症状は、「目が乾く」だけでなく「目が疲れる」、「物がかすんで見える」、「まぶしい」、「目が痛い」、「目がゴロゴロする」、「目が赤い」、「涙が出る」、「目やにが出る」などの様々な目の不快感や視機能の異常の症状が現れます。
【治療】
軽い症状であれば、市販の目薬でも改善できますが、眼科では、涙の不足成分を補う目薬、目の炎症を抑える目薬等を処方され、目の表面の涙を安定させる治療を行います。目薬で効果が得られない場合は、涙点プラグで涙点に栓をして、涙をためる治療法もあります。
また、画面を見る作業を短時間にする、コンタクトレンズの装用を減らす、エアコンを調整する、加湿器を使うなど日常生活における環境の改善を変えることでも効果が得られることがあります。
【総括】
ドライアイは、様々な要因により涙が不安定になる疾患で、目の不快感や視機能の異常を生じ、目の表面に傷を伴うことがあります。
症状や原因が様々であるため、単なる一時的な不快感・不調との区別がつけられないため、早めに眼科を受診し、正しい診断・治療を受けることをおすすめします。