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目の疾患について 〜 黄斑円孔 編 〜

アイクリニック東京グループでは、様々な目の疾患について、皆様に少しでも理解を深めていただけるコンテンツを用意しました。
今回は、〜 黄斑円孔 編 〜 です。

■黄斑円孔

【原因・病態】

黄斑円孔は、眼の網膜の中心部にある黄斑に小さな穴(円孔)ができ、視力が悪くなる疾患です。黄斑は視力にとって非常に重要な部分で、特に細かいものを見るための中心視力を担っています。黄斑円孔が発生すると、中心視力に影響が出て、視力が低下することがあります。
50歳以上の中高年者に見られることが多く、若い人にはほとんどみられません。発症率は中高年者の0.09〜0.3%程度であり、女性の方が、男性の2〜3倍多く発症し、高齢者、また強度近視眼の方が発症率が高いと報告されています。通常、片方の眼に発症し、徐々に視力が悪くなりますが、時間差(数カ月~数年)でもう一方の眼にも発症することもあります。

黄斑円孔についての画像
黄斑円孔についての画像

主な原因は、加齢に伴う特発性(特に原因がないもの)が最も多いです。加齢による硝子体の収縮や後部硝子体剥離が原因の一つと考えられています。硝子体が網膜から離れる際に、黄斑を引っ張る力がかかり、黄斑部に円孔が形成されることがあります。また、強度近視に伴うもの、打撲など外傷によるもの、嚢胞様黄斑浮腫などに続発するものがあります。

【症状】

黄斑円孔の主な症状は、周囲は普通に見えますが、見ようとする部位が見えなかったり、歪んで見えたりして視力が悪くなります。特に円孔が大きくなった場合、視力が大幅に低下することがあります。また中心部分が暗く見えたり、黒い点が見えたりすることがあります。
治療しないで放置すると、0.1以下の視力になることがほとんどです。

黄斑円孔についての画像
黄斑円孔についての画像

【治療】

黄斑円孔は点眼や内服薬で有効なものはありません。
一般的な治療法は硝子体手術になります。手術で硝子体を取り除き、眼の中の水をガスと置き換えます。
手術後、ガスが充填されると、一定期間顔を下に向けた姿勢を保つことが求められます。この姿勢によって、注入されたガスが黄斑部を押さえつけることで円孔がふさがれます。ほとんどの場合、白内障の手術も同時に行います。

【総括】

黄斑円孔は、視力に重大な影響を与える可能性のある疾患ですが、現在の眼科治療においては、多くの場合、手術により視力の回復が期待できます。手術による治療後、多くの患者が視力を回復しますが、円孔の大きさや発症から治療までの時間、患者の年齢などによって回復の程度は異なります。症状が現れた場合は、早期に眼科医の診察を受け、適切な治療を受けることが重要です。

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