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目の疾患について 〜 網膜静脈閉塞症 編 〜

アイクリニック東京グループでは、様々な目の疾患について、皆様に少しでも理解を深めていただけるコンテンツを用意しました。
今回は、〜 網膜静脈閉塞症 編 〜 です。

■網膜静脈閉塞症

【原因・病態】

網膜静脈閉塞症は、網膜の静脈が血栓などによって血管が詰まることにより、網膜に血液が流れなくなる病気です。
この状態は、眼底出血、黄斑浮腫、視力の低下、視野の欠損などを引き起こし、重症の場合には失明のリスクもあります。
網膜静脈閉塞症は、静脈閉塞が起きた場所により、病状に大きな差があります。
網膜静脈閉塞症には、2つのタイプがあります。
① 網膜中心静脈閉塞症
・乳頭部で静脈の根元が閉塞するタイプ
・より広範な網膜の障害を引き起こし、視力に重大な影響を与えることが多い
② 網膜静脈分枝閉塞症
・静脈の枝が閉塞するタイプ
・影響を受ける範囲が限定的なため、症状や視力の低下も比較的軽度であることが多い
網膜静脈閉塞症の多くの場合、脳卒中と同じで動脈硬化や高血圧が原因です。糖尿病などもリスクを高める一因です。したがって、中高年に生じることが多く、50歳以上の方に起きやすいと言われています。眼科治療と同時に、高血圧、高脂血症、動脈硬化といった基礎疾患の治療を行う事も重要です。

【症状】

急速な視野異常、変視症、視力低下が生じます。無症状で気づかないうちに跡形になって、そこに発生した新生血管から硝子体出血を起して、はじめて発見されることもあります。視野異常は典型的には(斜め)上半分か下半分に、薄暗く見えにくい範囲が出現します。残りの半分がほぼ問題なく見えているのが特徴です。

網膜静脈閉塞症についての画像
網膜静脈閉塞症についての画像

【治療】

治療は、症状の程度によってさまざまですが、黄斑のむくみによる視力低下が起きている場合はVEGF(血管内皮増殖因子)阻害薬による治療が行われることがほとんどです。視力がいい場合は、様子を見ることもあります。また、網膜の炎症やむくみを軽減するために、副腎皮質ホルモン(ステロイド)を眼内に注射をすることもあります。
黄斑のむくみがなかなか引かない場合や、病変範囲が広い時に硝子体出血や牽引性網膜剥離を予防するために、レーザー治療(網膜光凝固術)を行うことがあります。また硝子体出血や網膜剥離を生じた場合には硝子体手術を行うことがあります。他にも、高血圧や糖尿病、高コレステロールなどの基礎疾患がある場合は、管理の為の薬物療法も必要となってくるでしょう。

網膜静脈閉塞症についての画像
網膜静脈閉塞症についての画像

【総括】

網膜静脈閉塞症は、加齢や生活習慣病などの要因によって引き起こされることが多くあります。健康的な食生活、適度な運動、禁煙などの生活習慣の改善や、高血圧や糖尿病などのリスク要因を早期に発見する為の定期的な検診も大切です。視力に異常を感じた場合は、速やかに眼科医の診察を受けることが重要であり、早期の発見と適切な治療が視力の維持に不可欠です。

網膜静脈閉塞症についての画像
網膜静脈閉塞症についての画像

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