アイクリニック東京グループでは、様々な目の疾患について、皆様に少しでも理解を深めていただけるコンテンツを用意しました。
今回は、〜 斜視 編 〜 です。
■斜視
【原因・病態】
斜視とは、物を見ようとする時に、片目は正面を向いていても、もう片目が違う方向を向いてしまっている状態、左右の視線が合わない状態のことを言います。
斜視は目の位置によって分類されます。片方の目が正常な位置にある時に、もう片目が内側に向いている状態を内斜視、外側に向いている状態を外斜視、上側を向いている状態を上斜視、下側を向いている状態を下斜視と言います。
斜視の原因は、目を動かす筋肉や神経の異常によるもの、遠視によるもの、目の病気によるもの、脳の病気によるもの、全身の病気に伴うものなど様々ありますが、ほとんどは目を動かす筋肉や神経の異常によるものや遠視によるものです。
斜視は人口の約3%にみられるとする統計もあります。決して珍しい病気ではありません。
赤ちゃんの場合は、鼻の根元が低くて広い為に、内斜視のようにみえることがあります。見た目だけのものであり、本当に斜視があるわけではなく、成長に伴って顔立ちがはっきりしてくると斜視も目立たなくなります。
【症状】
斜視があると、物が二重に見えることがあります。複視とも言われます。物が二重に見えることで日常生活に支障を来すこともあります。その他にも、斜視によって目の焦点がずれたり、二重に見えているものを処理しようとするため、目の疲れや頭痛が生じることがあります。
子供の場合は、ずれている方の目を使わなくなり視力の発達を妨げられてしまうことがあります。そうすると、弱視といって、眼鏡をかけても視力が上がらない状態になってしまいます。斜視では顔を斜めに傾けて物を見ることもあります。
【治療】
斜視の治療は、斜視のタイプや原因、年齢によって異なります。軽度の場合は眼鏡で斜視を矯正する方法で、特別なレンズを使用することで目の位置を正常にして、複視を軽減させます。それ以外にも、手術があり、手術適応の場合は手術で物理的に目の位置を戻すために、目を動かす筋肉の位置を移動したり、短くしたりする手術をします。
子供の場合は、斜視によって弱視になっていることがあるので、まずは弱視を改善し治療することが斜視治療の第一歩です。眼鏡を使用しても目の位置が改善しないケースでは、場合によっては手術を必要とすることもあります。
【総括】
斜視は両目の向きが異なるため、少し気をつけると、家族の方が見ても分かります。斜視は早期に治療しないと、弱視や物が立体的に見えない原因になりますので、少しでもおかしいと思ったら眼科医に相談しましょう。