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【コラム】強度近視こそICL手術が向いている理由|適応条件・費用・リスクまで徹底解説

「レーシックを検討したけれど、度数が強すぎて断られてしまった」という経験をした方は少なくありません。強度近視では、角膜を削るレーシックが適応外となるケースもあります。その結果、視力矯正そのものを諦めてしまう方もいます。

しかし、視力矯正の選択肢はレーシックだけではありません。

この記事では、強度近視の方に向けて、なぜICL手術が選択肢になり得るのか、適応条件や手術の流れ、費用やリスクまで、順を追って整理していきます。

1.強度近視とは?ICL手術の対象になる度数の目安

強度近視とは、近視の度数を表す屈折値が-6.00D(ジオプター)以上の状態を指し、眼球の奥行きにあたる眼軸長が26.5mm程度以上に伸びている状態も目安として使われます。

度数が強くなるほど、目の奥にも影響が及びやすくなるため、この章ではまず強度近視の基本的な定義と、そこから生じるリスク、ICL手術で対応できる度数の範囲を確認しておきます。

強度近視の定義

近視は、目に入った光が網膜の手前でピントを結んでしまい、遠くがぼやけて見える状態です。度数が-6.00Dを超えると「強度近視」に分類され、眼鏡やコンタクトレンズだけでは矯正しづらく、目の奥にも影響が出やすい段階に入ります。

強度近視が引き起こす合併症リスク

強度近視になると、眼軸が伸びることで眼球の奥にある網膜や脈絡膜が引き伸ばされます。その結果、網膜剥離や緑内障、近視性黄斑症といった見え方そのものに関わる病気のリスクが高まることがわかっています。

これらは近視矯正の手術を受けても解消されるものではなく、度数が強い方ほど眼底の定期検診が欠かせません。

ICL手術の適応度数

ICL手術は幅広い度数に対応でき、レーシックでは難しい強度近視にも選択肢として検討できます。ただし、-15.00Dを超える最強度の近視については、より慎重な適応判断が必要です。

自分の度数で受けられるかどうかは、後述する適応検査で個別に確認することになります。

2.強度近視にICL手術が向いている理由

強度近視の方にICL手術が向いているのは、角膜を削らずに矯正できるためで、この章では強度近視の方がICL手術を選択肢として検討する理由を4つの観点から見ていきます。

レーシックは強度近視に対応できない理由

レーシックは、角膜をレーザーで削ることで屈折力を変え、近視を矯正する手術です。度数が強いほど角膜を削る量が多くなりますが、角膜の厚みには限界があります。

日本眼科学会のガイドラインでは、-10.00Dを超える場合はレーシックが推奨されておらず、強度近視の方の多くはそもそもレーシックの適応から外れてしまいます。

ICL手術は角膜を削らないため、強度近視でも安全に矯正できる

ICL手術は、角膜を削るのではなく、虹彩と水晶体の間に小さなレンズを挿入して近視を矯正する手術です。

角膜の厚みに左右されないため、レーシックでは対応できない強度近視でも選択肢になり得ます。

この違いが、「レーシックを断られたけれどICL手術なら受けられた」というケースにつながっています。

見え方の質がレーシックより優れやすい

近視矯正では、度数が強くなるほど、矯正後に網膜に映る像が小さくなる傾向があります。眼鏡やレーシックでは矯正の際に網膜像が縮小しやすいのに対し、ICLは光の通り道により近い位置でレンズが作用するため、この縮小が抑えられやすいという点が特徴です。

そのため、同じ度数を矯正する場合でも、見え方の質が保たれやすいとされています。

可逆性という将来の選択肢を守れる

レーシックは角膜を削る手術のため、元の状態に戻すことはできません。一方ICL手術は、目の中にレンズを挿入する治療のため、将来的にレンズを摘出したり交換したりすることが可能です。

加齢による目の状態の変化にも対応しやすい点は、強度近視の方にとって安心材料のひとつになります。

参考:日本眼科学会「屈折矯正手術のガイドライン(第8版)

3.ICL手術を受けられる適応条件と検査内容

ICL手術は誰でも受けられるわけではなく、年齢や度数、目の状態など複数の条件を満たす必要があり、満たしているかどうかは事前の適応検査で判断されます。

年齢・度数・前房深度・角膜内皮細胞数などの主な条件

日本眼科学会が示す基準では、18歳以上(未成年は親権者の同意が必要)で、近視の度数が1年以上安定していることが条件とされています。

度数は-6.00D以上の強度近視が基本対象で、乱視は4.5D以内であることも条件のひとつです。

このほか、レンズを収める空間である「前房深度」が2.8mm以上あることや、角膜の内側にある角膜内皮細胞という一度減ると再生しない細胞が十分な数残っていることも必要です。

これらは自覚できるものではないため、専門的な検査機器で測定して判断します。

適応外になるケースとは

白内障・緑内障・糖尿病網膜症・ぶどう膜炎など、他の目の病気がある場合は、基本的にICL手術の対象外となります。

また、前房深度が2.8mmより浅い方や、近視の進行がまだ続いている方も適応外とされ、重度の糖尿病がある方や妊娠中・授乳中の方も対象から外れます。

「強度近視だから受けられない」のではなく、これらの個別の条件によって可否が決まる点は覚えておきたいポイントです。

適応検査でチェックされる項目と所要時間

適応検査では、近視・乱視の度数、角膜の形状、前房深度、角膜内皮細胞数、眼軸長などを専用の機器で測定します。

検査の結果をもとに、医師が手術の可否とレンズの度数・サイズを判断します。

「自分は強度近視だから無理だろう」と決めつけず、まずはこの適応検査を受けてみることが判断の第一歩になるでしょう。

4.ICLの手術の流れ

ICLの手術は適応検査から術後の定期検診まで一連の流れの中で行われ、実際の手術時間は短く、当日中に帰宅できるケースがほとんどです。

検査から術後検診の流れ

まず適応検査を受け、手術が可能かどうか、どの度数・サイズのレンズを使うかを決めます。

問題がなければ手術日を決定し、手術当日を迎えます。

術後は翌日・1週間後・1か月後・3か月後というように定期検診が続き、その後も年1回程度の検診が推奨されているものです。

参考:JSCRS「ICLを考えている方へ」

手術当日の所要時間と麻酔・痛みについて

手術は点眼麻酔で行われることが多く、痛みを強く感じることは少ないとされています。

手術時間の目安は両眼で10〜20分程度と、比較的短時間です。

ただし、術後は視界がぼやけたり異物感が残ったりすることがあるため、当日は車の運転を避け、可能であれば付き添いを用意しておくと安心です。

術後の視力回復タイムラインと日常生活の制限

ICL手術は手術翌日から良好な視力が得られることが多く、痛みや違和感も比較的軽いとされています。

ただし、目の状態が完全に落ち着くまでには3か月ほどかかるとされ、その間は眼精疲労やドライアイのような症状が出ることも少なくありません。

洗顔・洗髪・アイメイク・水泳などをいつから再開してよいかは、医師の指示に従って個別に判断する必要があります。

強度近視ほどレンズが特注になりやすい点と待機期間の目安

ICL手術は、患者ごとの度数・サイズに合わせてレンズを作成するオーダーメイド型の治療です。

度数が強くなるほど、標準的な在庫では対応できず、レンズの製作に一定の期間を要する場合があります。

「思い立ったらすぐ手術」とはいかないケースもあるため、日程に余裕を持って計画することをおすすめします。

5.ICL手術のリスク・合併症|強度近視の場合に特に注意すべき点

ICL手術は安全性の高い手術とされていますが、リスクがゼロというわけではなく、強度近視の方は特にリスクについて正しく理解しておくことが大切です。

ハロー・グレア

手術後、夜間に光の周辺に輪が見える「ハロー」や、光がまぶしく感じる「グレア」が起こることがあります。瞳孔の大きさがレンズの光学部より大きくなる場合に生じやすく、多くは時間の経過とともに気にならなくなるとされています。

とはいえ完全になくなるわけではないため、事前に理解しておかなければなりません。

眼圧上昇・緑内障リスク

手術後、一時的に眼圧が上がることがあります。もともと緑内障がある方は視野への影響が悪化する可能性があるため、慎重な判断が必要です。

また、強度近視の方はICLの有無にかかわらず、もともと緑内障を発症しやすい傾向があることも知られています。

白内障の発症リスクと最新ホールICLによる低減

以前のICLは、レンズが房水の流れを妨げることで白内障の発生率が1.1〜5.9%程度あったと報告されています。

現在主流の、レンズ中央に小さな孔を設けたホールICLでは、白内障リスクは低下したと報告されています。

技術の進歩によってリスクが大きく下がった一方、ゼロになったわけではない点は理解しておきましょう。

ICL手術後も「強度近視由来の網膜リスク」は残ることを理解する

ここが強度近視の方にとって、特に誤解しやすいポイントです。

ICL手術はあくまで近視の度数を矯正する手術であり、強度近視によって伸びた眼軸や薄くなった網膜そのものを元に戻すわけではありません。

そのため手術後も網膜剥離や緑内障などのリスクは変わらず残り、年に1回程度の眼底検診を継続することが推奨されています。

参考:JSCRS「ICLの合併症」

6.ICL手術の費用と医療費控除

ICL手術は公的医療保険が適用されない自由診療のため、費用は全額自己負担となりますが、医療費控除という制度を使うことで負担を一部軽減できる可能性があります。

両眼の相場は40万〜70万円

ICL手術の費用相場は、両眼でおよそ40万円〜70万円程度です。

これには、レンズ代・技術料・術前検査・術後の診察代が含まれることが一般的ですが、クリニックによって内訳は異なります。

提示された金額だけでなく、総額でいくらかかるのかを事前に確認しておくことが大切です。

乱視の有無でレンズ代が変わるケースもある

近視だけを矯正するレンズに対して、乱視矯正機能を持つレンズを使う場合は、追加費用がかかることがあります。

強度近視で特注レンズが必要になる場合も、費用が上乗せされるケースがあります。

カウンセリング時に内訳を確認しておきましょう。

医療費控除の対象になる・医療ローン活用という選択肢

ICL手術は自由診療ですが、視力を矯正するための治療行為として医療費控除の対象になります。

1年間に支払った医療費の合計が10万円を超える場合、確定申告をすることで税金(所得税や住民税)の一部が軽減・還付される仕組みです。

まとまった費用が難しい場合には、分割払いに対応した医療ローンを用意しているクリニックもあるため、支払い方法についても事前に相談しておくと安心です。

7.強度近視のICL手術に関するQ&A

最後に強度近視のICL手術に関するよくある質問をご紹介します。

Q. レーシックを断られた強度近視でもICL手術は受けられますか?

A. 受けられる可能性があります。

レーシックは角膜を削る量に限界があるため強度近視では慎重適応・禁忌となることが多い一方、ICL手術は角膜を削らずに矯正するため、レーシックでは難しかった度数でも選択肢になり得ます。

ただし前房深度や角膜内皮細胞数など別の条件もあるため、必ず適応検査を受けて確認してください。

Q. -15D以上の最強度近視でも手術できますか?

A.条件によっては可能ですが、慎重な適応判断が必要です。

ICL手術は-18.00Dまでの度数に対応するとされていますが、-15.00Dを超える最強度近視については、より慎重に前房深度や角膜内皮細胞数を確認したうえで判断されます。

自己判断はせず、専門施設での検査結果をもとに医師と相談することが重要です。

Q. ICL手術を受けたら強度近視由来の網膜リスクはなくなりますか?

A.なくなりません。

ICL手術は近視の度数を矯正する手術であり、強度近視によって生じた眼軸の伸びや網膜の変化そのものを治すものではないため、手術後も網膜剥離や緑内障のリスクは変わらず残ります。

年1回程度の眼底検診を続けることが推奨されています。

Q. 強度近視のICL手術は費用が高くなりますか?

A.度数や乱視の有無によって上乗せになる場合も少なくありません。

基本料金に加えて、乱視矯正レンズや強度近視向けの特注レンズが必要な場合、追加費用が発生することがあります。

正確な金額は個々の目の状態によって異なるため、カウンセリング時に見積もりを確認することをおすすめします。

8.まとめ:強度近視こそICL手術が有力な選択肢。まずは適応検査で確認を

強度近視は、角膜を削るレーシックでは対応が難しく、視力矯正を諦めてしまう方が少なくありません。

しかし、角膜を削らずに矯正できるICL手術であれば、レーシックでは難しかった強度近視にも対応できる可能性があります。

年齢や度数、前房深度、角膜内皮細胞数など複数の適応条件を満たす必要があり、費用は両眼40万〜70万円が目安で医療費控除の対象にもなりますが、手術後も強度近視由来の網膜リスクが残るため、定期的な眼底検診は欠かせません。

自分の目でICL手術が受けられるかどうかは、実際に適応検査を受けてみないとわかりません。

レーシックを断られた経験がある方も、諦める前に、まずは適応検査で自分の状態を確認してみてはいかがでしょうか。

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